尿が出にくい場合に考えられる病気

 

尿が出にくい尿が急に出にくくなる場合、尿路感染症、尿路結石などの泌尿器科の病気、男性の場合は前立腺肥大、女性の場合は子宮脱、膀胱脱などの病気や、薬の副作用などの多岐にわたる病気が考えられます。
ここでは、脊椎の病気が原因で尿がでにくくなる「神経因性膀胱」の一部をご紹介します。

腰の病気で尿が出にくくなる場合

腰の病気で尿が出にくくなることがあり、腰部脊柱管狭窄症の11%~20%[*1-3]に認められる、とされています。これは神経の通り道が高度に狭くなり、神経の枝が何本も圧迫される「馬尾症候群」といわれる症状の一部です。
「馬尾症候群」になると、最初は両足の痺れ感から始まり、歩くと足が痺れて休むと治る(間欠性跛行)という症状が出ることがあります。進行するにつれて頻尿、尿のキレが悪い、出にくい等の症状となり、重症化すると尿閉や尿の漏れを生じることがあります。

首の病気で尿が出にくくなる場合

首の神経の病気で尿が出にくくなる頻度は約30%~50%[*4-6]と言われています。
首の病気は最初は手先の痺れ感、動きにくさで始まることが多いですが、進行するに伴って足に運動障害やしびれを生じ、尿の出にくさを感じることがあります。
尿の命令を伝える場所は、脊髄の深い場所にあるため、首の病気が原因で尿がでにくくなった場合は重症化のサインであることがあり、注意が必要です。
尿の出にくさを感じたときは、泌尿器科の受診とともに、どのような経過でそうなったのかを泌尿器科医師に伝え、上記のような経過であれば脊椎外科に詳しい整形外科医に受診することを検討してください。
脊椎が原因である場合、早期に原因除去(手術)が必要になる場合があります。

*参考文献
1. Kaneda, K., et al., Follow-up study of medial facetectomies and posterolateral fusion with instrumentation in unstable degenerative spondylolisthesis. Clin Orthop Relat Res, 1986(203): p. 159-67. 。
2. Masao, A., NEUROGENIC BLADDER IN PATIENTS WITH CERVICAL CORD COMPRESSION DISORDER. 日泌尿会誌, 1990. 81(2): p. 81.
3. 陽雄, 辻., 伊. 達雄, and 玉. 哲也, 腰部脊柱管狭窄症、間欠性跛行. Vol. 41. 1986.
4. Hattori, T., et al., Micturitional disturbance in cervical spondylotic myelopathy. J Spinal Disord, 1990. 3(1): p. 16-8.
5. Hattori, T., et al., Micturitional disturbance in ossification of the posterior longitudinal ligament in the cervical spine. J Spinal Disord, 1990. 3(4): p. 285-7.
6. Kenji I, K.N., Nobuo Hashimoto, Mako Hirano, Tetsuya Fukumoto, Shinichi Urata, Hiroo Sato Departmentof Orthopedics,KumamotoNationalHospital, Dysuria Attendant Upom Spinal Medullary Disease. 整形外科と災害外科, 2000. 49. 

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