その他疾患(脊柱側弯症、後縦靭帯骨化症、変形性脊椎症、椎間孔狭窄症、頚椎椎間板ヘルニアなど)

脊柱側弯症

脊柱側弯症とは?症状は?

脊柱側弯症とは?症状は?「脊柱側弯症」とは、背骨が左右どちらかに弯曲している状態を指します。「側弯症」と省略して呼ばれることもあります。
当院では、最新鋭のX線TVシステム「Sonial Vision G4」を導入しております。全身の骨を一枚の画像で撮影できる機能(長尺レントゲン撮影)を備えており、脊柱側弯症の診断において重要な指標となる弯曲の角度を正確に測定することができます。

放っておくとどうなる?

弯曲がひどくなると、胸郭(12個の胸椎、12対の肋骨、1個の胸骨で構成される籠状の骨格)の変形も著しくなり、肺機能の低下を招きます。
また、肩や腰の高さが左右で違う、肩甲骨が突出する、肋骨の隆起など、外から見たときの審美的な問題も大きくなります。

治療方法

装具療法、手術などの方法があります。
弯曲の程度が軽度である場合には、経過観察に留めることもあります。

後縦靭帯骨化症

後縦靭帯骨化症とは?症状は?

後縦靭帯骨化症とは?症状は?椎体の後部で背骨の中を上下に走る「後縦靭帯」が骨になる(骨化)ことで、脊柱管が狭窄し、神経根が圧迫される疾患です。厚生労働省による難病に指定されています。
頚椎で発症した場合には、首や肩回り、指先の痛みや痺れなどをきたします。次第に症状の範囲が拡大し、脚の痺れ、手先を使った作業の困難などが起こります。また、歩行困難、排尿・排便障害が引き起こされることもあります。
胸椎で発症した場合には、体幹・下半身に症状が現れます。下肢の痺れ・脱力から始まり、進行すると歩行困難、排尿・排便障害をきたします。
腰椎で発症した場合には、下肢の痛み・痺れなどの症状が見られます。

後縦靭帯骨化症になる原因

遺伝、性ホルモンの異常、カルシウムやビタミンDの代謝異常、糖尿病、肥満、加齢、発症部位の局所的ストレス、全身的な骨化傾向など、さまざまな要因が重なって発症するものと考えられています。

治療しないと寝たきりになる?

後縦靭帯骨化症は、必ず症状があるわけでも、必ず進行するわけでもありません。実際に、半数以上の症例において、数年が経過しても症状に変化は認められません。
歩行障害、排尿・排便障害などをきたし、寝たきりになるケースはごく一部とお考えください。

治療方法(保存療法・手術)

保存療法

保存療法では、コルセットを使った装具療法、消炎鎮痛剤や筋弛緩剤などを使った薬物療法などを行います。

手術

重度の場合には手術を検討します。前方から切開して骨化部位を摘出して自家骨などで固定する前方法、後方から切開して脊柱管を拡大する後方法があります。後方法の場合には、ボルトなどを使い固定をする術式を組み合わせることが多くなります。

やってはいけないこと・禁忌

後縦靭帯骨化症の禁忌としては、「首を後方に大きく反らすこと」が第一に挙げられます。これだけで、症状が急激に悪化することがあります。
また、転倒によって症状が出現したり、悪化したりといったケースも目立ちます。
いずれも、四肢麻痺などによって寝たきりになってしまう可能性がありますので、十分に注意しなければなりません。

変形性脊椎症

変形性脊椎症とは?症状は?

変形性脊椎症とは?症状は?加齢に伴い椎間板の水分が減少すると、椎間板の重要な役割であるクッション性も低下します。これにより、椎骨同士がぶつかり、トゲ(骨棘)が形成されます。
このトゲによって神経が刺激され、痛みなどの症状を伴うのが「変形性脊椎症」です。
首の痛み、肩こり、起床時や初動時の腰の痛み、手・腕の痺れ、脱力、歩行困難などの症状を伴います。また、手元の細かな作業の困難、背中・腕の強烈な痛みをきたすこともあります。

原因

主な原因は加齢です。
椎間板の水分が減少することで、椎骨がぶつかるようになるとトゲ(骨棘)が形成され、神経を刺激します。

治療方法

経過観察

無症状の場合には、特別な治療は必要ありません。定期的な検査を行いながら、経過を観察します。

保存療法

コルセットなどを用いた装具療法、薬物療法、リハビリなどを行います。
神経根症状、脊柱管狭窄症を合併している場合には、それらの治療も必要です。

ストレッチ

リハビリ、または予防の一環として、腰痛体操が有効です。

方法1
  1. 椅子に腰かけ、手を腰に当てます。
  2. ゆっくりと息を吸いながら、胸を張って背筋を伸ばします。
  3. ゆっくりと息を吐きながら、背中と腰を丸めます。
方法2
  1. 椅子に腰かけます。
  2. 片方の膝を、両手で抱えて身体に引き寄せます。このとき、腰も自然に曲げます。
  3. 反対側の膝で同じことをします。
方法3
  1. 床に座ります。
  2. あぐらをかくような姿勢を取り、両足の裏同士をくっつけます。
  3. 無理のない範囲で、両膝を下方に下げます。股関節が伸びていることを意識してください。

椎間孔狭窄症

椎間孔狭窄症とは?症状は?

椎間孔狭窄症とは?症状は?脊髄から左右に枝分かれしている細い神経のことを「神経根」と呼びます。そして、神経根が通る穴のことを「椎間孔」といいます。
椎間孔狭窄症とは、この椎間孔が狭くなることで神経が圧迫された状態を指します。
腰部や下肢の痛みや痺れを主な症状としており、これは腰部脊柱管狭窄症とよく似ています。ただ、椎間孔狭窄症の場合には、ほとんどのケースにおいて、左右どちらかで症状が出現します。

原因

直接的な原因としては、椎間板がつぶれたために椎骨と椎骨の間隔が狭くなること、椎骨の変形、黄色靭帯の肥厚などが挙げられます。
そしてこれらは、基本的には加齢によって引き起こされます。また、不良姿勢、不適切な身体の動かし方(仕事・スポーツ)などもリスク要因となります。

治療方法(保存療法・手術)

保存療法

進行を食い止め、日常生活への支障を軽減するため、まずは保存療法に取り組みます。
主に、薬物療法、ブロック注射などを行います。

手術

症状が強く日常生活に大きな支障をきたしている場合には、手術を検討します。
手術では、狭窄した椎間孔を拡大し、神経の圧迫を取り除きます。

ストレッチ

  1. 仰向けになります。
  2. 背中を床につけたまま、両手で、両膝を抱えます。
  3. ゆっくりと息を吐きながら、両膝を胸に引き寄せてください。
  4. その姿勢のまま、ゆっくりと5つ数えます。

頚椎椎間板ヘルニア

頸椎椎間板ヘルニアとは?症状(レベル)は?

頸椎椎間板ヘルニアとは?症状(レベル)は?背骨の骨と骨のあいだにある椎間板は、クッションの役割を果たす軟骨です。
この椎間板が変性し一部が飛び出し、神経を圧迫することで痛みや痺れを伴う疾患を「椎間板ヘルニア」と呼びます。
そしてそのうち、特に頚椎(首の骨)で起こった椎間板ヘルニアのことを「頚椎椎間板ヘルニア」と言います。
頚椎椎間板ヘルニアには、その進行の程度によって、以下のようにさまざまな症状が見られます。

レベル 部位 症状
1 首・肩 肩こり、首・背中の痛み、前胸部の痛み
2 腕・手 上肢の痛み、腕がだるい、手の痺れ・むくみ、握力低下
3 頭部・顔面 後頭部痛、目の奥が痛い(眼精疲労)、耳鳴り、めまい
4 下半身 足のつっぱり、歩行障害、尿コントロール障害、失禁

※レベル「1」が軽度であり、「2」「3」「4」と進行していきます。

原因

椎間板への負荷を主な原因となります。 ただ、腰椎椎間板ヘルニアとは異なり、重いものを持った場合に負荷がかかる部位ではありません。そのため、ラグビーやアメリカンフットボールなど、コンタクトスポーツをする方が発症する割合が高くなります。
その他、喫煙習慣、遺伝も、発症に影響しているものと考えられます。

治療方法

保存療法

投薬治療、カラーを用いた装具療法、リハビリなどを行います。
また当院では、頚部に対するブロック注射にも対応しております。

手術

保存療法で十分な効果が得られない場合には、手術を検討します。
頚部の前方から切開して突出したヘルニアを摘出し、金属や自家骨・人工骨で固定する「前方除圧固定術」、後方から切開して神経の圧迫を取り除く「後方除圧術」などがあります。

ストレッチ

あご押し体操

頚椎のアーチのバランスを整える体操です。

  1. 起立した状態または椅子に腰かけ、背筋を伸ばします。
  2. 顎の前方から手のひらを当て、後方に向けて押します。
  3. 顎から手を放し、天井を見上げます。
  4. 天井を見上げたまま、5秒間静止します。
胸鎖乳突筋ストレッチ

首を曲げる・回転させる筋肉「胸鎖乳突筋」をほぐすストレッチです。

  1. タオル(大きさはフェイスタオル程度)を用意します。
  2. タオルの両端をそれぞれ手で握り、首の後ろにかけます。
  3. 両手を下方に向けて引っ張ります。
  4. 頭をやや後方に倒しながら、手でタオルを引っ張る力と反発させます。
  5. その状態のまま、5秒間静止します。
タオルストレッチ

首回りの血流を改善し、筋肉の緊張を和らげるストレッチです。

  1. 正座またはあぐらをかいて床に座ります。
  2. 右の前腕を、背中に当てます。
  3. 左手で右側頭部を掴み、引き付けるように左に倒します。このとき、首の右側が伸びていることを意識してください。
  4. 反対側でも同様に行います。
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